人生初のトラックボールに挑戦してみたら結構良かった
これまでマウスはロジクールの「M720r」を使っていたのだけれど、大きな不満はない一方で肩こりがひどくなってきた。トラックボールで何とか解消できないかという思いと、ボタン数をもう少し増やしたいという理由から、トラックボールを物色していた。もちろん M720r もボタン数は多い。左クリック、ホイールクリック、ホイールのチルト、右クリック、戻る・進むに加えてサムボタンもあるので、いわゆる8ボタンになる。これでもボタン数が足りないとなると、いわゆるゲーミング系の、側面にボタンがずらっと並んでいるようなマウスしか選択肢がなくなってしまうので、どうしようかなというところ。
トラックボールを選ぶにあたって、親指でボールを回すタイプと、人差し指や中指でボールを操作するタイプの2種類があることは知っていた。親指タイプはマウスからの乗り換えには良いらしいのだけれど、親指での操作は負担が大きくなりそうだという気がしたので、人差し指や中指で操作するタイプを中心に探した。ロジクールもトラックボールを出しているが、どれも親指タイプのようだった。これまでもロジクール製をよく使っていて、「マウスやキーボードはもうロジクールでしょ」と言っていた時期もあったが、最近は複数台を使い分けることもなく、MacBook しか使わない。Flow も不要だし、複数デバイスの切り替えニーズもなくなったので、ロジクールにこだわる必要もないかなということで、トラックボールといえば有名どころのエレコムを調べてみると、エレコムの「HUGE」というトラックボールがボタン数も多く評判も良いことがわかった。ホイールチルトを入れると10ボタンある。これまでトラックボールは使ったことがなかったので慣れるかどうかは心配だったが、「使ってみてどうしてもダメならマウスに戻せばいい」くらいの気持ちで、いきなり新品で大枚はたくのは怖いので、メルカリで中古品を買ってみた。
HUGE は名前どおりかなり大きい。手のひらを置いてもすっぽり覆えないくらいのサイズ。以前使っていたマウスパッドと同じくらいなので、占有領域という点ではマウスとあまり変わらないのだけれど、大きいほうが操作しやすいのは確か。ちまちまと小さなボタンを押すより、このくらいのサイズ感のほうが余裕があってちょうどいい。ボタンの位置関係も、慣れれば押しやすい配置だと感じる。
肝心のトラックボールの操作は、思った以上にすぐ慣れた。ボールをくるくる回すのが快適で、意外と狙った位置にさっとコントロールできるので、イライラすることはほとんどない。
問題はボタン配置だが、HUGE は親指で左クリック、ホイールスクロール、戻る・進むを押すような配置になっている。しかし親指でホイールを操作するのはかなりやりにくい。従来使っていたマウスのような高速スクロールではなく、クリック感の強いスクロールなので、ページを上から下まで送る際は何度も指を曲げる必要があり、親指を酷使することになる。そのため、親指でのスクロールは早々に諦めた。
代わりに「SteerMouse」というユーティリティを使い、特定のボタンを押しながらトラックボールを操作するとスクロールできる設定にしている。これがかなり快適で、垂直方向にも水平方向にも、ボールをゆっくり回せば少しだけ、ぐっと回せば大きくスクロールできるので、直感的で使いやすい。ボール操作でスクロールが快適になるのは、意外な発見だった。
メインの左クリックも最初は親指でやっていたが、そのうちつらくなってきた。自分の親指が比較的短めで、ボタンのクリックポイントが前寄りにあるため、押すときに指を伸ばしながら力を入れる必要がある。また、上から下ではなく横方向に押す必要があるため、重力の助けも借りられない。やはり一番よく使うクリックは人差し指がやりやすいと思い、ボール左隣の「Fn1」ボタンを左クリックに割り当てて使っている。
その他のボタン割り当ては、もともとの左ボタン(メイン)をミドルクリック、戻るボタンはクリックロック、進むボタンを前述のスクロールのトリガーにしている。ホイールのチルトは「戻る/進む」。ホイール押し込み(ホイールクリック)は Cmd+Q でアプリ終了。ボール横の、人差し指で押すもう一つの「Fn2」には Cmd+W。タブやウインドウをすぐ閉じられて便利。右クリックだけは本来どおり右クリック。その横の「Fn3」は、現状「CirMenu」というランチャーを起動するための Option キーに割り当てている。
HUGE だけでなく、SteerMouse がかなり便利。有料アプリだが、Mac ユーザーは試してみる価値がある。ボタン入れ替えやショートカット割り当てに加え、複数キー同時押しに対する動作の割り振りなどもでき、作業効率化に欠かせないアプリだ。
さて、トラックボールを使い始めて1か月は経ったが、肝心の肩こりはあまり解消していない。マウスが原因ではなかったのかもしれない。その点では効果は微妙だが、ボタン数が増え、ショートカット割り当ての幅が広がったことで、全体としては便利に使えている。入力デバイスは毎日使うものなので、いろいろ試して自分に合うものを選んでいきたい。