ハチとの闘い

夜11時頃

ブーン、ブーン

家の中を昆虫が飛び回っている風切り音がする。音からするに結構大きそうだ。 電球の周りを飛び回り、時折電球に接触してバチッバチッという音も聞こえてくる。

ハチだ。しかも恐らくアシナガバチ。

カナブンとかならいいのだが、ハチは恐ろしい。🐝

以前に刺されたこともあり、2回目は危険などという話を聞くと一目散に逃げだしたくなる。戸外で出会ったならそうしていただろう。

しかしここは家の中だ。逃げるわけにもいかないし、放置しておいたら家人が翌朝刺されかねない。何とか今夜中に追い出すか駆除するかしないとまずい。

ドアも窓も空いていないのに、いつどこから入ってきたんだ?

今はそんなことより何とかして外に出したい。場所は玄関近くなのでドアを開けておけば外に出ていくかもしれない。しかしドアを開けるにはハチがいる付近を通ってドアに近づかなければならない。うかつに近づくなら攻撃してくる恐れがあるから慎重にしなければ。

灯りに反応するらしいので、一旦電気を消して様子を見る。すると飛び回るのをやめ、玄関マットの上に着地したようだ。

この隙にと、細心の注意を払い、なるべく玄関の端を通って、音を立てないように玄関の戸を開ける。ハチには動きはない。

外から懐中電灯で光を照らして外におびきよせようとするも、こちらに来る気配はない。5分位待ったが、飛んでくる様子はない。いまだ玄関マット上にとどまっている。もしかしたらもう飛ぶ元気がないんだろうか。

とはいえ油断して近づくのは禁物だ。いきなり飛んでくるかもしれない。反撃されると怖いのでできれば静かに出て行ってもらいたいんだけど向こうが出て行く気がないならこちらから何とかするしかない。

選択肢1は、何か容器的なものをかぶせ、中に閉じ込めて外で放す
選択肢2サンダルなもので叩いて潰す。

容器をかぶせるのもうまく中に閉じ込められなかったときが怖いし、サンダルで叩くのも仕留めきれなかったときの反撃が怖い。
とはいけもうじき10分ぐらいが経過する。このままずっと対峙しているわけにもいかない。そろそろ何か行動に移らなければ。

結局選択肢1を取ることにする。一旦家に戻り、計量カップとそして蓋となるビニールに包まれた冊子を用意する。これで上からかぶせて捕まえ、下から冊子をねじ込んで閉じ込める寸法だ。 家の中に戻る時もハチのそばを通らなければいけない。近づいたときは値を一瞬広げるような動作をしたので、飛んでくるかもと思い寿命が一瞬縮まった。

後ろから慎重に計量カップを構え、静かにかぶせる。

つかまえた。

上から計量カップをかぶせるのに成功。その後、慎重に下から冊子をスライドさせて、下敷きと計量カップの中に閉じ込める。そしてその外へ持っていく。

玄関の床に冊子と計量カップを置き、少しだけ開けた扉のなかから傘の先っぽで計量カップを倒してすぐさま扉を閉める。

数分後、もしかしたら待ち構えているかもしれないのでおそるおそるドアをそろそろ開けてみるが、その姿はもうなかった。

これにてハチとの闘いが終結した。

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