内向型でも上手に生きる
内向型ゆえの生きづらさ
私は内向型の性質を持っているタイプの人間である。このことに気が付いたのはそれほど前のことではないように思う。
確かに昔からなんとなく生きずらさは感じていた。
- 疲れやすい
人より疲れやすく、半日活動するだけで疲れて、後の半日は休まないと次の日に支障が出るような感じだった。一日がかりの活動では次の日はおとなしくしないと回復しない。一度、東京へ一日遊びに行き、その次の日スノボへいったら、帰ってきた次の日から熱出して寝込んだこともある。
だから自分は虚弱体質なのだろうと思って次第に無理をしない力をセーブする習慣をつけていった。
パワフルに活動している友達を見て時々うらやましく思ったものだ。 - ぱっと考えて話せない
何か質問されたり、話すよう促されるのだけど、あらかじめ考えていないと、とっさに話す言葉が出てこない。しどろもどろになって何言っているか自分でもわからなくなってしまう。だからいきなり準備なしで何か質問されたり、発言を求められるのは今でも苦手。
これは頭の回転が遅いからだろうと考えて、どうしたら頭の回転を速められるんだろうと結構悩みの種だった。
他の人みたいにぱっと思い付きでしっかりしたこと言えたらいいのにと思っていた。 - 人混みが苦手 見知らぬ人が大勢いてがやがやしている場所にいると、疲れるし落ち着かない。人の流れを見ているだけで目が疲れるので、休憩時間にはその場所を離れてトイレや外、廊下など喧騒から離れた静かな場所で休まないと疲れ切ってしまう。そういう場では友達を探しに出歩いたりするのもせず、自分の席で結構ボーっとしているか寝ていることが多い。
- 初対面の人が苦手 初対面の人と知り合うにはかなりエネルギーがいるので、たくさん知らない人がいる場面で、お互い自己紹介して会話して~っていうのを数人行って、何人かと知り合えたころにはもうへとへとになって帰りたくなってる。一人や二人と初対面で話すのはよくてもそれが多くなるとバッテリー切れになる。
こうした事柄が、なぜなのかまでははっきりと若いころはわかっていなかった。単に体が弱い、頭が残念、内気、人見知りという言葉で自分を形容しようとしていたけど、でもそうしたマイナスイメージな言葉を自分に当てはめて考えることで、自尊心を傷つけ、自分で自信を失わせてしまっていた。
内向型であることに気が付いたことによる変化
ある時「内向型を強みにする」という本を読んで、自分が内向型と呼ばれる性質を持つ人間であることがはっきりと分かった。そして内向型の人の特徴と対処方法を知ることで、この自分の性質とうまく付き合っていく方法のヒントが得られた。
内向的だからと言って人付き合いが嫌いとか、人と関りたくないというわけではない。ただ人と関わるためのエネルギーを人より多く必要とするため、あまり多くの人と短時間で接したり、少人数でも長時間になると疲れてしまうだけ。
自分に合った対処法をとる
私も決して友達と集まってワイワイしたりする機会は嫌いではないし、誘われたらうれしいのでたいてい断らずに参加する。(もちろん立て続けに続くとエネルギー切れになるため、予定によってはやむを得ずパスさせてもらう事はある)しっかり事前にエネルギーを充電して置くのが大事だと気づいたので、人と会う予定の前にはあまり他の予定を入れないようにすることで、対処できるし、楽しめるようになった。
ぱっと考えて考えをまとめてその場で意見を述べるのは今でも苦手だけど、あまりまとまってなくてもとりあえず何か言い始めることを意識すると、黙りこくってしまう時間を少なくできることに気が付いた。口火を切ればあとはなんとかなる。
事前に意見が求められることがわかっていれば簡単なメモを用意しておいて言いたいことを書いておけば、安心できるのでそういった事前の準備をしておくのも有効。
人込みや刺激の多い環境には長居しない。どうしても長時間いないといけない場合は適宜休憩をとることを心掛けている。
このように自分の性質を知って、それに合った対処法をとることでうまくやっていくことができるようになってきている。
それでも外向的性質が必要なとき
そうはいっても生きていくには、ずっと一人で内に閉じこもっているわけにもいかないし、それでは人間としても成長できない。とりわけ、考え方が中に中に向いてしまうと、どうしても他人のことより自分に注意が向きすぎるようになり、それはいい傾向ではない。
やはりほかの人に関心を向けていって積極的に行動するのも必要だ。別に外向型に性格を変える必要はないけど、必要なときには外向的な性質を表さなければならない。それにはやはり意識的に努力しないと、時には自分のコンフォートゾーンを出て頑張らないといけない。そんな時は、性格を変えるのではなく、自分の中にもあるであろう積極的な性質を表すと考えると楽になった。何も四六時中ワイワイしている社交的で明るいパワフルな人になる必要はなく、ここぞという時だけでよい。
世の中には外向型の人の方が多いため、どうしても内向型=好ましくないという風潮があって、外向型の人の方が受けがいいという面はあると思う。私も活発で社交的なパワフルな人にはあこがれたものだった。恐らくはっきりと言われたわけではなくても、潜在的に外向型であるべきという意識があったのだと思う。すくなくとも内向型という性質をポジティブにとらえることはなかった。でも今では同じようにならなくてもいいとわかっているので「なぜああなれないのだろうか」などと、必要以上に自分を責めたりしなくてすんでいる。大事なのは自分の特質を生かしてどんなふうに人のために行えるかを考えること。内向型にもいいところはあるので長所を伸ばしつつ、足りない部分を努力して補っていくことで、内向よりだけど外向型の行動も多少はできるという感じになれるはず。
また外向型の人にとって内向型の私の行動や考え方というのは時として理解しにくいという事も覚えておくと、誤解されないような立ち振る舞いができる。
たとえば、何もいう事が思い浮かばないとき黙りこくっていると、「なんで何も言わないんだろう?意見がないのかな?」と思われるので、今頑張って考えていますよアピールをしたり「考えをまとめて、後で言いますね」といってその場をやり過ごす。もちろんそのあとフォローなどしないと言い逃れしただけになるのでそこは後で伝えるのを忘れないようにしないといけない。
何かアイデアを求められる時も聞かれるまで待っているのではなくて、自分から発言することで積極性を示せるし、出し惜しみしているとか何か隠していると思われずに済む。
また反応を自分では大げさかなと思うぐらいしないと、相手に伝わらないのである程度大きく反応するようにすると相手にもしっかり聞いているんだなと安心してもらえる。特に初対面の相手だと、反応が薄いと本当はそんなことがないのに「自分と話しているとつまらないのかな?」と思われてしまう。しっかりとリアクションと、話を聞いているアピールは大事。
まとめ
自分が内向型だとしてもそのことで自分を責めたり恥ずかしく思う必要はない。外向型に自分を変えないといけないと感じる必要もない。しかし必要なときには積極性や社交性も出していく必要があるので、自分の性質と対処方法を理解したうえで、バランスをとりつつ自分に合った方法で楽しみながら努力していくなら人とも良い関係が作れるし、豊かな人生を送れる。